コラム

ダンボール箱を発注する際「A式」「B式」といった表記が使われます。これらの表記は、ダンボール箱の形状(形式)を表しています。大まかな違いは分かっても、自社の商品にどれが合うのか、判断に迷ったことがある方も多いのではないでしょうか。
ダンボール箱は、形状によって組み立て方や底の構造が異なります。形状を正しく選ぶと、強度・梱包の作業効率・コストを最適化でき、内容物の保護にもつながります。
この記事では、代表的な形状であるA式・B式・C式・N式を中心に、それぞれの構造や用途、メリット、デメリットを詳しく解説します。
目次
1.段ボール箱の「形状(形式)」とは
一口にダンボール箱といっても、その形状は一つではありません。1枚のダンボールから組み立てるもの、フタと底を差し込んで組むもの、フタと本体が分かれているものなど、さまざまな形状があります。
形状によって、次のような点が異なります。
- 強度(重い内容物・段積みに耐えることができるか)
- 組み立ての手間(1箱あたりの梱包にかかる時間)
- コスト(材料費・抜型などの初期費用)
- 見た目(そのまま店頭やギフトに使えるか)
ここからは、代表的な形状を順番に見ていきます。
2.A式段ボール箱(みかん箱)とは
A式は、最も標準的なダンボール箱の形状です。通称「みかん箱」と呼ばれ、正式には「A-1式」と表記されます。引っ越しや通販の発送などで、多くの人が一度は目にしたことがある形状です。

構造と特徴
上下にそれぞれ4枚のフラップ(箱の口を閉じる、折り込み式のふた部分)が付いています。組み立てるときは、内側のフラップを先に折り、外側のフラップを突き合わせて、テープで封緘(ふうかん=箱を閉じて封をすること)します。上下とも同じ構造のため、底も上面もフラップの突き合わせで閉じるのが特徴です。
用途
食品、家電、日用品、引っ越し荷物など、幅広い内容物に使われます。サイズの自由度が高く、軽量物から比較的重い物まで対応できる、汎用性の高い形状です。
メリット・デメリット
- メリット:構造がシンプルで強度とコストのバランスに優れる。展開した状態(板状)で保管でき、在庫がかさばりにくい。抜型(ぬきがた)が不要なため、オーダーでも初期費用を抑えやすく、小ロットにも対応しやすい
- デメリット:組み立てと封緘にテープが必要で、手間がかかる。フラップの合わせ目に隙間ができやすく、密閉性は高くない
抜型を使わずに製造できる点は、仕様を変えながら少量ずつ発注したい場合に向いています。当社のようなオーダーメーカーでは、この特性を生かして小ロットのオーダーにも対応しています。
3.B式段ボール箱とは
B式は、フタと底を差し込みや折り込みで組み立てる形状です。上下のフラップをテープで封緘するA式に対し、B式はテープを使わずに組み立てることができるものが多いのが特徴で、底の作り方によっていくつかの種類に分かれます。

底の形状が異なる3つのタイプを紹介します。
❶
キャラメルタイプ:フタ、底ともにフラップを差し込んで閉じる形状です。キャラメルの箱のような構造で、軽量物に向いています。単価を抑えやすい一方、底の強度はそれほど高くありません。
❷
地獄底(じごくぞこ)タイプ:「アメリカンロック」とも呼ばれます。底のフラップを順番に組み合わせてロックする構造で、組み立てるとテープなしでも底が抜けにくくなります。重い内容物にはこのタイプが適しています。
❸
底ワンタッチタイプ:あらかじめ底が糊付けされており、たたまれた箱を開くだけで底が自動で組み上がる形状です。組み立ての手間が少なく、大量出荷に適しています。加工が施されている分、単価は比較的高くなります。
用途
菓子・ギフト・通販・店頭陳列など、数量が多く、見た目も重視される商品に使われます。特に底ワンタッチタイプは、1日に多くの箱を組み立てる通販・EC事業者の出荷現場で選ばれています。
メリット・デメリット
- メリット:テープを使わずに組み立てることができるため梱包の作業効率が高い。側面に継ぎ目が少なく、印刷面をきれいに見せることができる。ワンタッチ底は、箱を開くだけで底が組み上がる
- デメリット:加工が施されている分、A式よりも単価が高い場合が多い。底の加工などのために抜型(型)が必要になる場合がある
4.C式段ボール箱とは
C式は、本体(身箱=みばこ)と、その上に被せるフタが分かれているかぶせ式の形状です。しっかりとした見た目で、贈答品や化粧品の箱でよく見られます。

構造と特徴
身箱とフタがそれぞれ独立した構造で、強度があり、見た目もすっきりとしています。フタが本体に重なって覆うため、高級感を出しやすいのも特徴です。
用途
化粧品、酒、ギフト、精密機器、靴など、高級感が求められる商品に向いています。
メリット・デメリット
- メリット:フタと本体が分かれているため中身の出し入れがしやすい。身箱の底は突き合わせ式ではないため底が安定して抜けにくく、フタが本体に重なることで強度と高級感を両立しやすい
- デメリット:フタと本体が必要なため材料費・コストが上がりやすい。フタと本体を保管する必要があるため、在庫スペースを取りやすい
見た目を重視する化粧箱では、印刷の仕上がりがきれいなEフルート(薄型の段)とC式を組み合わせることもあります。フルートの種類や材質についてはダンボールの材質とフルートの解説記事もあわせてご覧ください。
5.N式段ボール箱とは
N式は、1枚のダンボールを折り込んで組み立てる形状です。糊やテープを使わず、折り込みと差し込みだけで組める手軽さが特徴で、軽量・薄型の内容物に適しています。

構造と特徴
1枚のダンボールから、側面や底を差し込むことで箱の形に組み立てます。テープや糊を使わずに組み立てることができるため、必要なときに素早く箱の形にできます。差し込みのみで固定するため、重い物には向きません。
用途
書籍・小物・アクセサリーなどの軽量物、廉価な商品の梱包などに使われます。宅配・メール便向けの小型箱として選ばれることが多い形状です。
メリット・デメリット
- メリット:糊付けが不要で低コスト・省スペース。展開した状態で保管でき、必要なときに素早く組み立てることができる
- デメリット:差し込みのみで固定するため強度は高くない。重量物や、長距離輸送での段積みには適さない
メール便対応の小型箱については、メール便とは?違いと選び方を徹底解説も併せてご覧ください。
6.その他の形状(ヤッコ型・タトウ式・半A式)
代表的な4つのほかにも、さまざまな形状があります。名称と特徴を簡単に整理します。
- ヤッコ型:十字形のダンボールを折り上げることで組み立てる形状。浅めの箱や、包む用途に適している
- タトウ式:薄い物を包み込むように閉じる形状。書類やアパレルなど、厚みの少ない内容物に適している
- 半A式:A式の底側フラップを簡略化した形状。底を組み立てる手間を減らし、材料を抑えたい場合に使われる
- みかん箱(A式)以外の差し込み式:内容物や陳列方法に合わせ、フタや仕切りを組み合わせた形状も設計できる
定型から選ぶ以外に、用途に合わせて形状そのものを設計する方法もあります。
7.用途別の形状の選び方【比較表】
ここまでで解説した形状を、実務で選ぶ際の視点で比較します。強度・コスト・組み立ての手間・封緘方法・高級感の観点で整理しました。
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| 形状 | 強度 | コスト | 組み立ての手間 | 封緘方法 | 高級感 | 向いている内容物 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| A式(みかん箱) | 高い | 低い | やや手間(テープ封緘) | テープ | 標準 | 食品・家電・引っ越し・重量物 |
| B式(キャラメル) | 中 | 低〜中 | 差し込みで容易 | 差し込み | やや高い | 菓子・軽量物 |
| B式(地獄底) | やや高い | 中 | 差し込みで容易 | 差し込み(底ロック) | やや高い | ギフト・中量物 |
| B式(底ワンタッチ) | 中 | 高め | 開くだけで最速 | 差し込み | やや高い | 通販・大量出荷 |
| C式(かぶせ) | 高い | 高い | フタを被せるだけ | 被せ蓋 | 高い | 化粧品・酒・ギフト・精密機器 |
| N式 | 低め | 低い | 折り込みで容易 | 差し込み | 標準 | 軽量物・メール便・廉価品 |
選び方の要点を、内容物と目的から整理すると次のようになります。
- 重い物・外装箱なら、強度とコストのバランスに優れるA式、または底が抜けにくいC式
- 通販で大量に出荷するなら、組み立てが最も簡単なB式の底ワンタッチ
- ギフトや高級感を出したい商品なら、フタが本体に重なって見栄えのよいC式やB式
- 軽量物をメール便で送るなら、低コストで省スペースなN式
内容物の重さ・輸送条件・出荷量によって選ぶべき形状は変わります。判断に迷う場合は、メーカーに用途を伝えて相談するのが確実だといえます。
8.まとめ|形状選びに迷ったら
ダンボール箱の形状を選ぶ際のポイントを整理します。
- A式(みかん箱)は最も一般的な形状で、強度とコストのバランスに優れる
- B式は差し込みや折り込みで組み立てる形状で、底の作り方によって❶キャラメル ❷地獄底 ❸底ワンタッチに分かれる
- C式は本体とフタが分かれているかぶせ式で、強度と高級感を両立しやすい
- N式は糊付け不要の簡易的な形状。軽量物・メール便向き
- 「A式・B式(箱型)」と「A・Bフルート(中芯の波の規格)」は別物のため注意が必要
形状選びは、内容物の重さ・用途・出荷量・コストのバランスで決まります。一方で、実際の発注では「自社の商品にどの形状が合うのか」と判断に迷う場面も少なくありません。
大和紙工株式会社は、オリジナルダンボールの製造に対応しており、用途に合わせた形状の提案・設計から、小ロットのご相談まで承っています。取り扱い製品は製品一覧でご覧いただけます。形状選びでお困りのことがあれば、お気軽にご相談ください
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