コラム

ダンボールを発注するとき、「Aフルート」「K5」といった記号で仕様を指定する場面があります。この材質表示の意味が分からず、見積もりや発注票の記入で迷ったことがある方も多いのではないでしょうか。
ダンボールの材質は、中芯の波の規格(フルート)、中芯に使う紙の種類と厚さ、ライナーに使う紙の種類と厚さの3つの要素で決まります。これらの規格を理解することで、内容物や輸送条件に合った仕様を迷わず指定できるようになります。
この記事では、ダンボールの材質を構成する要素と「Aフルート」「K5」などの仕様表示の読み方、用途に応じた選び方を、調達・発注の実務目線で解説します。
目次
1.ダンボールの材質とは|3層構造を知る
ダンボールは、3枚の紙を貼り合わせた構造をしています。表と裏の平らな紙をライナー、その間に挟まれた波状の紙を中芯(なかしん)と呼びます。

この3層のうち、面の強さ(外からの衝撃や箱のつぶれにくさ)を担うのがライナーで、厚みと緩衝性、垂直方向から加わる力への耐性を生むのが中芯です。
ダンボールの材質を考えるときは、次の2つの軸で見ていくと整理しやすくなります。
中芯の波の規格=フルート(厚みと強度を左右する)
ライナーと中芯に使う紙の種類・厚さ(強度を左右する)
それぞれを順番に見ていきます。
2.フルートの種類と厚み|A・B・Eフルートとダブルフルート
フルートとは、ダンボールの中芯にある波状の構造のことです。波の高さ(厚み)と密度によって種類が分かれ、種類が変わると厚み・緩衝性・印刷のしやすさが変わります。

代表的なフルートは、次の3種類です。
scroll →
| フルート | 厚みの目安 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| Aフルート | 約5mm | 厚みがあり緩衝性・圧縮強度が高い | 重量物・外装箱・引越し |
| Bフルート | 約3mm | 平面を押す力に強く、 薄くて省スペース |
食品・軽量物・個装箱 |
| Eフルート | 約1.5mm | 薄く、印刷の仕上がりがきれい | ギフト・化粧箱・小箱 |
厚みが必要な重量物にはAフルート、強度と省スペースのバランスを取りたい場合はBフルート、印刷の見栄えを優先する化粧箱にはEフルートと、用途で使い分けるのが一般的です。EフルートについてはEフルートダンボールの特集ページで詳しく紹介しています。
ダブルフルートとは
2種類のフルートを重ねて貼り合わせ、強度を高めたものを「ダブルフルート」と呼びます。AフルートとBフルートを重ねた「ABフルート(Wフルート)」がよく使われ、厚みは約8mmになります。重量物や、長距離輸送・段積み(積み重ねての保管や輸送)など、より高い強度が求められる場面で使われます。
「A・Bフルート」と「A式・B式」は別物です
ここで混同しやすい点を整理します。「A・B・Eフルート」は中芯の波の規格を指す言葉で、「A式・B式」は箱の組み立て方(箱型)を指す言葉です。名前は似ていますが、別の分類です。
箱型(A式・B式など)の違いと選び方については、別の記事で詳しく解説します。
3.材質表示の読み方|ライナー・中芯・発注票での書き方
先ほど見たフルートが「中芯の波の高さ(≒ダンボールの厚さ)」を表すのに対し、ここで扱う記号は「各層の紙の種類と厚さ」を表します。発注票や仕様書では、ダンボールの材質が「K5」「C5」「中芯120g」のような記号で書かれています。これはライナーと中芯に使う紙の種類と厚さ(坪量)を表したものです。
ライナーの記号
ライナーの記号は、紙の種類を表すアルファベットと、厚さ(坪量=1㎡あたりの重さ)を表す数字の組み合わせです。
scroll →
| 記号 | 種類 | 坪量の目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| K5 | クラフトライナー | 約180g/㎡ | 強度が高い。一般的な外装に多い |
| K6 | クラフトライナー | 約210g/㎡ | K5よりさらに強度が高い |
| C5 | 古紙の配合が多いライナー (Kより安価) |
約170g/㎡ | コストを抑えやすい |
「K」はクラフトパルプを多く含む強度の高い紙、「C」は「K」より強度がやや低い紙、と覚えると読みやすくなります。数字(5・6・7)は坪量の等級を表し、大きいほど紙が重く、強度が高くなります(ダンボール全体の厚みは、紙の番号ではなくフルートで決まります)。
中芯の表示
中芯にも、普通中芯(120g・160gなど)と、強度を高めた強化中芯(180g・200gなど)があります。重い内容物や段積みで圧縮が気になる場合は、強化中芯を選ぶことで垂直方向からの力への耐性を高めることができます。
発注票での書き方
材質は、「ライナー × 中芯 × フルート」をまとめて指定します。たとえば次のように書きます。
❶ライナー:表K5/裏K5
❷中芯:120g
❸フルート:Aフルート

表と裏のライナーが同じ場合や、中芯が普通中芯(120g)の場合は、慣例で省略して書かれることもあります。迷う場合は、表・裏・中芯・フルートを省略せずに伝えると、認識のズレを防ぐことができます。
4.用途別のフルート・材質の選び方
材質は、内容物の重さ・形状と、輸送の条件から考えると選びやすくなります。代表的な組み合わせの目安を整理します。
scroll →
| 用途・内容物 | フルートの目安 | 材質の考え方 |
|---|---|---|
| 重量物・外装箱 | Aフルート/ダブルフルート | 強度の高いライナー(K5・K6)+強化中芯 |
| 精密機器・割れ物 | Aフルート | 厚みで緩衝性を確保。仕切りの併用も検討 |
| 食品・軽量物 | Bフルート | 省スペースで平面圧に強い構成 |
| ギフト・化粧箱 | Eフルート | 薄く印刷がきれいな構成 |
| 長距離・段積み輸送 | ダブルフルート | 圧縮への強さを優先 |
実際には、内容物の重さや輸送距離が確定していない段階で材質を決める場面もあります。その場合は、強度に余裕を持たせるか、サンプルで確認してから決めるのが一般的です。迷う場合は、用途を伝えて相談するのが確実だといえます。
当社では、「包む(保護する)」「保管・輸送する」「保冷する」といった用途に応じたダンボール・紙製資材を、まとめてご相談いただけます。仕様の決め方からの相談にも対応しています。取り扱う製品はオーダーダンボールの製品一覧でご覧いただけます。
保冷性能をもたせたダンボール製品は保冷ダンボール特集で紹介しています。
5.まとめ|仕様の決め方から相談できます
ダンボールの材質を読むポイントを整理します。
- ダンボールはライナー(表・裏)と中芯の3層構造でできている
- フルートは中芯の波の規格で、A(約5mm)・B(約3mm)・E(約1.5mm)などから用途に合わせて選ぶ
- 厚みや強度が必要な場合はダブルフルートを選ぶ
- 「A・Bフルート」と「A式・B式(箱型)」は別物のため注意が必要
- 材質表示は「ライナー(K5など)× 中芯(120gなど)× フルート」で表す
材質の記号が読めると、内容物や輸送条件に合った仕様を自分で指定できるようになります。一方で、実際の発注では「この内容物にはどの材質が適しているか」と、判断に迷う場面も少なくありません。
大和紙工株式会社は、オーダーダンボールの製造に対応しており、小ロットや仕様の決め方からのご相談も承っています。材質の選定でお困りのことがあれば、お気軽にご相談ください。
お問い合わせ・ご相談はこちらからお気軽にどうぞ!
今すぐ問い合わせる